桜貝の気まぐれ日記

還暦過ぎての初ブログ開設

星組「1789」

2023年8月15日、星組東京公演1789が2幕より中止と言う大変な事態になった。

主演男役である礼真琴氏の体調不良。

コロナの後遺症か、別の病か憶測にしかならないので心静かに治して頂きたいと願うばかりだ。

そもそも、私は東京公演初日の囲み取材の時の様子がスカニュで放送されたのを見たとき、彼女の様子に違和感を感じていた。

ずいぶんと疲れている様子で、その瞳に輝きが失われ表情が暗かったのだ。初日にこのような表情するトップスターを見たのはこの10年で初めてのことだ。その前の配信で観た外箱公演、「赤と黒」が素晴らしい出来だったのでノリに乗ってると思っていたので意外だった。

その後、SNS等で不調が伝えられて心配していた矢先とうとう2幕から中止と言う悲しい事態に至ってしまった。

それ以前1789の後の外箱博多座公演がトップ休演と言うことで話題になり、働き方改革かと様々な憶測が飛んでいた。

今はSNSで瞬時に様々な情報が飛んでくる時代だから便利でもあるし恐ろしくもある。

私は次回の大劇場公演「RRR」で7作目位であることから推測して、退団を希望したのを劇団が慰留したした結果、前代未聞の休養と言う落としどころになったのかと思っていた。

ここまで追い詰められていたとは礼真琴氏の今後を考えてもお大事にして頂きたい。

宝塚星組の最終兵器と北翔さんに言わしめた逸材の彼女が殆どコロナ禍とともにトップ人生を歩まねばならなかったことは本当にお気の毒で負担も大きかったことと思う。

コロナ禍以前は1ヶ月どころか1ヶ月半近く東京公演もあったし、それをこなすタカラジェンヌって並外れた体力と精神力なのだろうと思っていた。ところが、この件で如何にギリギリの所で踏ん張っていたかを改めて思い知ることになったのだ。

そして、現在ロナンの代役、暁千星氏によってたった中2日で幕が再び上がっている。

話は少しズレるが私が2014年に宝塚を観劇して以来初めてムラを訪れたのが礼真琴氏のバウ公演「鈴蘭」で次が暁さんがロミオ役を演るということで行った「FALSTAFF」だ。

それだけこのお二人に思い入れがあった。

最近は配信があるので殆どムラに行く必要が無くなった。2019年9月に明日海りお氏退団公演の前楽の大劇場で華ちゃんが羽扇を落とし、明日海氏のやっつけ感のあるサヨナラショーにガッカリしてからはムラまで行く熱意は無くなった。

暁さんは新人公演でロナンを演じており、私はとても良い印象だったし、暁さん程の方はご自分のロナンに満足していないはずだから礼さんのロナンを絶対によく見て色々考えることがあったと思う。それは大変な重圧だろうけど暁さんなら絶対に大丈夫だと言う信頼しか私には無かった。頼りになる98期同期もいるし。

何とか映像ででも拝見したい。

大羽、デュエダン、フィナーレ等々意見もあるだろうけど、この公演で宝塚を初めて観劇される方もいらっしゃる。リピート客ばかりが対象ではないのだ。プロの劇団として今できる最高のパフォーマンスをお見せするのは当たり前のことだ。

かくいう私は今回1789のチケットをあらゆるサイトで申し込みしたが1枚も手に入れられなかった。いつもは1枚申し込みの所を娘の分と2枚申し込みしたのが敗因かもしれない。

(ファンクラブ掛け持ちもしないし、おけぴで詐欺まがいに会ったり、かつてジャニオタのチケット漁りに辟易してした身にとってお友達作りも興味ないので自力で調達するしかない。)

礼真琴氏がトップ就任してから親子で1789を切望していたから観劇出来ないことに落胆したが、大劇場初日の映像を観て何か違うと思ってしまった。

礼真琴氏はロナン役としてピッタリだと思っていたが、彼女の歌声や台詞声が農民の若者のそれじゃないのだ。洗練され過ぎでいるのだ。

新人公演の稀惺 かずと君の方が逆にハマっている。

上手すぎると言うことが欠点になることもあると知った。礼真琴氏の声は知性的で身分の低い声には到底聞こえない。阿弖流為ではリーダー、アルジェの男では貧乏ではあるが決して無能ではない、赤と黒も然り、私の好きな礼真琴氏のハマり役は全て知性に溢れているのだ。

まあ、全編観ていないので何とも言えないが、

だから、大劇場の配信を観なかったのは悔やまれる。この世の中本当に何が起こるか分からないのだ。