桜貝の気まぐれ日記

還暦過ぎての初ブログ開設

月組フリューゲル

雪組以来の東宝宝塚劇場、何と3ヶ月ぶり!

前回の花組は急用で2幕から観劇しようと思っていたら物凄い豪雨で家から一歩も出られなくなって断念したと言う前代未聞の理由で観劇が叶わなかった。

いつも通りのおひとり様観劇、最近はAかB席が定位置だ。

宝塚熱も大分冷めて来たので友の会で当選しなければ配信で良いわって思ってしまう。

セディナJCBもゴールドを解約したし、ぴあもプレミアム解約。

どうしても観劇したい時は外部も含めて個人のファンクラブに入会することにした。

最近の失敗は劇団四季ウィキッドの先行を緑の顔が気持ち悪と思ってろくに調べもせず申し込みしなかった事だ。

宝塚出身の真瀬さんが出演されてるから是非とも観たかった。

もともと同じ公演を複数回観劇したいと思わないし、何回も観劇する方の財力と体力は本当に凄いと思う。

宝塚の配信による収益は凄いみたいだからまず配信が無くなることもないだろうし、家の中で大型TVで観るのは本当に快適なのよね。

私は比較的強運でファンになってこの10年、SSでも良席に恵まれることも多くて、沢山のスターさんからトキメキを頂いて来た。

最後にSSで観劇したのは珠様の「桜嵐記」

のぞ様と珠様の退団公演が素晴らし過ぎて、振り返るとあの頃が宝塚熱のピークだった。

最後にキキちゃんのトップ人生を見守って隠居しようと思ってたら、大変な事態になって…

少し気持ちも落ち着いて来たので劇場へ足を向けられた訳だ。

後方席というのは宝塚マジックがかかりにくい。だいたい冷静な観察者になってしまう。

相当なパワーを放つトップスターでないと心を鷲掴みにすることは出来ない。

因みにB席16列で私にマジックをかけたのは

「ONCE UPON A TIME IN AMERICA 」の

のぞ様のヌードルスだ。

薔薇を背負ってソファーに身体を沈める姿に感動のあまり全身硬直した。

 

さて、随分寄り道したが月組フリューゲル。

流石に座付き作家の当て書き、トップに就任してからの月城さんのお役の中で1番ぴったりだと思った。月城さんの重めな芝居と歌が東ドイツの真面目で信義に厚くちょっと不器用でハンサムなのに洗練されてない軍人役が良い塩梅にマッチしてる。

初めは東西冷戦の重そうな話しに殆ど興味が持てなかったけど、語り継がれるべき歴史だしナチス関連の母親とのエピソードも含め脚本も良く纏まっていた。ベルリンの壁崩壊の場面の歓喜の歌の合唱には目頭が熱くなった。

海乃さんのポップスター役は申し訳無いけど合ってないと思った。マイクパフォーマンスで最後に歌い上げる所など耳を覆いたくなる出来だった。台詞回しもキンキンとして耳ざわりな感じ、前回別箱の様な役が海乃さんの持ち味を生かせる役だと思う。

娘役のキンキン声が苦手なのだが、彩さんの声はちょうどよい感じで歌も大分精進されてる感じがした。

鳳月さんが次期トップならば彩さんが適任かと思う。

天紫さんも元男役というベールが大分取れて来た感じはする。華もあるのであとは歌唱力かも。

このトップコンビも次回本公演が退団公演、月城さんが他の娘役と組む舞台を観てみたかったと思うのは当然の感情だと思う。

星風さんのスライドの前例が出来たのだから何でも出来るのでは?

私の感覚としては3年組んだら相手役を変えて欲しいくらいだ。

今回、鳳月さんのお役は美味しくなくて気の毒だった。敵役なんだけど月城さんと同期の軍人設定なんだからその辺を深めて描かないと人物が見えてこない。

退団される燻し銀役者、蓮さんのお役はとても良かった。オンザタウンの娘役も素晴らしかったし、是非役者を続けて欲しいな。

 

万華鏡百景色、栗田先生の大劇場デビュー作ということで興味深々。

花火師と花魁が江戸から令和まで転生を繰り返してという設定、プロローグの掴みは良かった。月組らしからぬ?華やかなオープニングだったよ。お衣装も豪華で月城さんもお似合い。

でも、月城さんはお顔は綺麗だけどスタイルが今ひとつだからフランス人将校はお似合いにならない。

途中から転生の設定に縛られて素敵なチャイナドレス姿の海ちゃんはいったい誰?って思ったのは私だけ?

最後は月城さんはカラスになってるし、現在の東京の象徴的場所が先生的には渋谷のスクランブル交差点なのかい。

トップコンビが転生を繰り返してる感じは薄かったな〜

最後のデュダンも最初は素敵だったけど、大階段でのラストポーズが花火の音と共にキマるんだろうけど地味だったな。どでかい花火をこさえてなんぼでしょうに、演出頑張って欲しかった。

どうせなら芥川文学の短編縛りでやったら面白かったかも。

そしたら現在の東京まで表現出来ないね。

そう思ってしまうほど地獄変の場面が物凄く良かったよね。

退団する蘭君は舞踊会の常連で100期首席なのにお役に恵まれず気の毒だったけど流石のキレのある表現力で猿を演じて赤い炎に娘と共に焼かれていくのが壮絶だったし、蓮さんも堂々たる殿様で台詞の発声も素晴らしく、正しく退団者の場面となっていた。栗田先生の設定では退団者全員の場面は作りにくいよね。

この場面の鳳月さんの狂気の絵師の表情が鬼気迫って素晴らしかった。

ピンクや赤のお衣装を素敵に着こなしてセンターで踊る鳳月さんを拝見すると次期トップになって欲しいなあと思った。

風間君も100期の中では最初にトップになるに相応しいオーラをお持ちだけど、後2、3年先が丁度良い頃合いだもの。

次は宙組か、東京公演は再開されると良いな。