桜貝の気まぐれ日記

還暦過ぎての初ブログ開設

ねじまき鳥クロニクル

行って来ましたよ。音くり寿ちゃんが出演するということで、「ねじまき鳥クロニクル

村上春樹さんの作品ね、遠い昔にカッコつけてノルウェーの森を買った記憶があるけど最後まで読まなかったような?

そんな私が村上春樹作品を予習しました。

老眼で近眼だから、なかなか焦点の合う眼鏡も無く長編はキツいのでオーディブルの無料期間をフル活用で聴きまくった。

ねじまき鳥クロニクル海辺のカフカ1Q84

騎士団長殺し、どの作品も現実と幻想が入り混じった世界観、夢の中で人を犯したり、殺したり魂の奥深くで触れ合ったり、村上春樹作品の魅力が少しは理解出来たと思う。

オーディブルは心地良すぎて不眠症が悪化しそうだから解約したけども。

くり寿ちゃんはマルタとクレタという姉妹二役

霊能者のマルタと綿谷に汚されるクレタ

ねじまき談話室というアフタートークがある日を選んだけど、会場に着いたらくり寿ちゃんがやむを得ず出演見合わせ、公演は出演とのこと。

今まで聴いたことないくらい声が掠れて最初は心配だったけど、公演が進むにつれその声さえもクレタの個性なんじゃないかと思えて来た。

綿谷に汚される場面は息もできないくらい圧巻の一言で、今さらながらくり寿ちゃんの身体能力の素晴らしさ、表情ひとつひとつにクレタの痛みが伝わって来て、私も綿谷を憎悪して悔しくて涙が溢れてきた。

くり寿ちゃんは最高のパフォーマンスが出来なくて悔しい思いかも知れないけど私は大満足だった。

もちろん原作は予習はして正解、予習しないと2幕なんて特に理解出来ないと思う。

くり寿ちゃん目当ての観劇だったけど、渡辺大知さんが原作でイメージしたトオルそのものだと思ったし、間宮役の吹越さんはテレビドラマでしか拝見してなかったけど凄い実力派なんだと知ったし、クミコ役の成田さんの二面性の演じ分けも良かった。

外国の方の演出、振り付けを初めて観たけど1幕なんてこんなに集中したの久しぶりと思うほど引き込まれた。理屈じゃない感性に響く感じだった。

また、長編を3時間弱に収めるのは難しいなとも思った。綿谷ノボルの悪や牛河の嫌らしさ、ナツメグとシナモンを描ききれてない物足りなさを感じた。

2幕は殆ど成河さんのノボル、幻想の世界でとても難解、凄い役者さんなのは分かるけど凡人の私はとても疲れた。

全体を通して表現者の舞台を観せて貰ったという感じ、俳優って表現者なんだって改めて思い知らされた舞台だった。